椿の花通信 121号(4月号)

日本脳炎ワクチンを生後6ヶ月から接種しましょう!

最近の小児の日本脳炎罹患率をみると、熊本県で2006年に3歳児、2009年に7歳児、高知県で2009年に1歳児、山口県で2010年に6歳児、沖縄県で2011年に1歳時、福岡県で10歳児、兵庫県で2013年に5歳児、そして2015年に生後11か月児の日本脳炎症例が報告されました。
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスを所有する蚊に刺されることで感染します。日本脳炎ワクチンの普及と生活環境の改善により、日本脳炎患者発生は最近少なくなっていますが、毎年各都道府県で実施されているブタの抗体保有状況をみると日本脳炎は西日本を中心に中心に広い地域で確認されています。
現在、日本における日本脳炎ワクチンの1期の標準的接種時期は、初回接種として3歳の達したときから4歳の達するまでの期間に、6日以上(標準的には6日から28日まで)の間隔をあけて2回、初回免疫終了後6ヶ月以上(標準的には11ヶ月~13ヶ月、概ね1年)あけて1期追加として4歳に達した時から5歳に達するまでの期間に1回となっています。ただし、定期接種の1期として接種可能な時期は生後6~90ヶ月となっており、生後6ヶ月以上であればいつでも接種可能です。
千葉県は、最近日本脳炎患者が発生した地域であるため、生後6ヶ月になりましたら接種をお勧めします。日本小児科学会・VPDを知って子どもを守ろうの会においても、生後6ヶ月からの接種を勧めしております。

心理外来担当が交代しました!

約5年にわたり当院の心理外来を担当してきた西村圭子先生が、3月いっぱいで退職いたしました。当院の心理外来立ち上げの尽力をいただきましたが、成人の診療に携わりたいという希望でした。
かわりまして4月からは前野郁子先生が心理外来を担当いたします。新規の患者様にはご不便をおかけしますが、徐々にご要望に応じられるように心理外来の整備をして参りますので、必要なことがございましたら、スタッフまでお声をかけていただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

B型肝炎ワクチンについて

B型肝炎ワクチンは、今年の10月から定期接種になります。標準的な接種年齢は、生後2ヶ月からで3回接種(初回から4週あけて2回目、初回から20~24週あけて3回目)です。対象は生後1歳までの児ですが、今年の4月以降に出生した方となっています。今年の3月までに出生している方は、10月まで待っても対象となりません。くれぐれもご注意ください。

水痘ワクチン2回目接種のおすすめ

このほど水痘ワクチンの有効性について研究結果が出ました。ワクチンの有効率は48.5%と低く、接種後平均3.4年で水痘に罹患しており、1回接種だけでは、たとえワクチンを接種していてもかかってしまう率が高いことが示されました。現在水痘ワクチンは定期接種として3歳未満児に2回の接種となっており、患者数は減少していますが、3歳以上の方は2回目の接種がなされていませんので、注意が必要です。実際に小学校で流行しているケースも見られますので、水痘ワクチンを1回しか接種していない方は、任意接種となりますが、追加接種をご検討下さい。